2011年05月20日

カンヌ国際映画祭 河瀬監督、拍手喝采5分間に涙

第64回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された河瀬直美監督の「朱花(はねづ)の月」(9月3日公開予定)の公式上映が、メーン会場で行われた。約5分間のスタンディングオベーションに、河瀬監督は感激の面持ち。また、監督週間部門では、園子温監督の「恋の罪」(11月公開予定)が公式上映され、世界に人気を誇る日本の才能に注目が集まった。

朱花の月 動画
 劇場2階の客席から、乗り出すようにして拍手を送る観客の姿を見て、河瀬監督の目からは、今にも涙がこぼれ落ちそうだった。

 「ハッピーエンドという映画ではないけれど、これまでの作品よりも皆さんが真っすぐに映画を見つめてくださったのが伝わってきた。レッドカーペットに上がる時から、泣けてきていました」。一緒に作品を観賞した長男の光祈君(みつき、7)が無邪気に両手を何度も上げ、観客の拍手に応えるのを温かいまなざしで見つめながら、最高の瞬間を味わっていた。

 カンヌでの作品上映は27歳の時、史上最年少でカメラドール(新人監督賞)を獲得した97年の「萌の朱雀」、03年の「沙羅双樹」、グランプリ(審査員特別大賞)を受賞した07年の「殯(もがり)の森」以来、4度目。「周囲からは『ナオミ・カワセの集大成の映画だ』と言われるけど、私はカンヌでの上映経験は少なく、その言葉を理解していない」と謙そんするが、今現在、表現したいと考えていたものは、すべて出し切ることができたという自負はある。

 作品は、河瀬監督自身が住む奈良・飛鳥地方で生きる男女と、その自然を描いたものだが、「美しい風景を最高の状態で撮影できました」。映画祭関係者からは「ベストコンディションで撮ることができていたね」との言葉をもらったそうで「製作者としては、最高のクオリティーで送り出すことができたと思います」と力を込めた。

 力強い言葉に、最高賞パルムドールへの期待は高まるが、河瀬監督は「もし、それ(受賞)によって、被災に苦しむ日本の皆さんが元気になれるというならば、それは自分も願うことです」。やるべきことを終え、後は静かに結果を待つといった表情を見せていた。
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